ミミ・チャオさん
絵本作家、イラストレーター
絵本作家・イラストレーターのミミ・チャオさんは元弁護士。弁護士という安定した道を離れ、「自分らしい人生」へと舵を切った彼女の軌跡は、多くの人々の共感を呼んでいます。
創作活動のきっかけや、自分自身に素直に生きることの大切さについて伺いました。
――ミミさんの現在の主な活動やプロジェクトについて教えてください。
今は、新しい絵本『Treasure Everywhere』の最後の仕上げをしているところです。
それと並行して、マインドフルネスの実践を、作品を通して共有していくアートシリーズを制作しています。自分のスタジオMimochaiから作品を自主出版することで、本当に作りたいものを自由に表現できていて、とても幸せに感じています。
――弁護士からイラストレーターへと、大きなキャリアチェンジをされましたが、そのきっかけは?
私にとって本当に大切なのは、自分らしく、意味のある人生を送ることだと気づきました。
以前は、両親の期待や周囲の目を気にし、「こうあるべき」という固定観念にとらわれた道を歩んでいました。しかし、世間で「成功」と呼ばれる地点に到達しても、達成感は得られず、虚無感すら覚えました。その時、この仕事が心から望んだものではないと気づいたのです。弁護士という仕事に問題があったわけではなく、私には合わなかったということです。
クリエイティブな道への転身は大きな決断であり、ある種の賭けでしたが、心の底から解放されたような気持ちになりました。他人の声に左右されず、自分の心の声に従って進むことができたのです。
――ミミさんにとって、ノートに描くことや書くことはどのような意味を持ちますか?
私にとって絵を描くことは、創造的な側面と心を落ち着かせる瞑想的な側面の二つを兼ね備えています。日々の感情に気づき、常に「今、この瞬間」に意識を戻してくれる作業です。
普段はデジタルで作業することが多いのですが、紙のスケッチブックは手放せません。紙にペンを走らせる感覚は特別で、安心感と心の安定をもたらしてくれます。難しいと感じる瞬間もありますが、それと同時に心が穏やかになるのが魅力です。また、絵を描くことで頭の中に新しいスペースが生まれ、そこから新しいアイデアや次の挑戦へと繋がると感じています。
――『MDノート』はどのように知りましたか?また、実際に使用してみて一番気に入っているところはどこですか?
『MDノート』については以前から知っていましたが、2023年の日本旅行中にすっかり魅了されました。旅行にスケッチブックを持参していなかったので、東京で『MDノート』を購入したのがきっかけです。旅の思い出を『MDノート』に描いているうちに、あっという間に一冊を使い切ってしまいました。アメリカに帰国してすぐに買い足したほどで、今では私にとって必要不可欠なスケッチブックになっています。
この紙は本当に特別です。完璧なテクスチャーでインクの乗りも美しく、薄いのにほとんど裏抜けしません。水彩絵の具さえ使えるほどです。高品質でありながらも気兼ねなく使える点が気に入っています。
また、サイズとデザインも魅力です。持ち運びに便利なサイズで、シンプルかつ美しいデザインはどんなスタイルにも合うと思います。
――『MDノート』以外に、制作で使っているお気に入りのツールがあれば教えてください。
スケッチには、今は主に鉛筆と水彩を使っています。最近は、天然の土の顔料から絵具を作る実験をしていて、画材の出所について環境を配慮したものを選ぶようにしています。それらが全て「MD用紙」と美しく馴染むので、とても気に入っています。デジタル作業には、iPadでProcreateを使用しています。
――ミミさんのスタジオは緑も多くて素敵な場所ですが、お気に入りのアイテムがあれば是非教えてください。
私のスタジオは、本、自然物、旅の記念品など、インスピレーションを刺激する物で溢れています。お気に入りの物に囲まれていると、それだけで心が満たされます。
特に、木製の仏像があるリラックススペースは、日々の生活の中に小さな喜びと心の平穏をもたらしてくれる、私にとって特別な場所です。
――結婚、出産、愛犬との生活など、ご自身の人生も多くの大きな変化を経験されていますね。今後の展望や挑戦したいことはありますか?
これから挑戦したいことは、アートを通じて、子供から大人まで幅広い年代の人々に「マインドフルネスの大切さ」を分かりやすく伝えることです。
私自身、マインドフルネス瞑想に出会ったのは少し遅かったのですが、本来の自分を取り戻すための大切なきっかけとなりました。些細なことのように見えても、その効果は絶大です。人生において、これは不可欠なスキルだと感じています。
そのため、私はマインドフルネス瞑想の指導者資格を取得しましたし、これからもスタジオMimochaiのクリエイティブな活動に、少しずつ取り入れていこうと考えています。
新しい家族が増え、私自身のライフスタイルも大きく変わりました。しかし、身近に大切な人ができたからこそ、日々のささやかな幸せや出来事を、これまで以上に大切にしていきたいなと思っています。
ミミ・チャオ(Mimi Chao)
ロサンゼルスを拠点とするインディペンデントなクリエイティブスタジオ、Mimochaiを手がけるアーティスト。絵本作家兼イラストレーターであり、認定マインドフルネス瞑想の指導者でもある。自分の心の声を聞き、本当の自分を知る方法を絵のクラスやオンラインの講座を通して伝えている。現在は夫と息子、そしてチャウチャウ犬のEmberとともにロサンゼルスで暮らしている。
https://www.mimochai.com/
https://www.instagram.com/mimochai/